幻冬舎版/よみがえる大野・日本語タミル語接触言語説の展開 (含・正誤表)

幻冬舎版/よみがえる大野・日本語タミル語接触言語説の正誤表

日本語・ドラヴィダ共通祖語論の誤謬 その五

ドラヴィダ語と日本語との関係は既にR・コールドウェルが指摘しており(1856年),日本でも芝 蒸(すすむ)氏の研究がある(1970年).なお,芝氏はその後,やまと言葉をアルタイ諸語,ドラヴィダ語,南島諸語の混合言語とする立場を採るに至った(芝 烝「日本語の起源/系統と検証」,新風舎.2005年). ところでなぜ芝氏がドラヴィダ語から決別したのか,それは同氏がドラヴィダ語と日本語 を祖語再構形型の…

国語学者と言語学者 その四

本項では大野説批判を展開した言語学者やインド学者の異様にも写る批判内容に付き,一日本語ユーザーとしての私の印象を述べていきたい.これらの記述は本来は一続きのものであったが,批判ばかりを書き連ねてもウンザリされる方もおられようと,分断してコラムに入れた. ちなみにウンザリをタミル語でūzali[意気消沈する(to be dispirited),嫌悪する(to loathe),大いにうんざりする・酷…